2009年9月17日

9/17(木) 今日も中電は帰っていった。 from鎌仲監督

祝島に急行し、滞在している鎌仲監督より

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9月10日より上関原発用地の埋め立て工事に着工しようという中国電力の作業を祝島の漁船が設置するブイの前にバリケードをはって阻止する行動が続いています。

海上では毎日およそ20から30隻の船が錨を下ろし、ロープでつながってブイの置いている護岸の前に陣取り、陸上では祝島のおばちゃんたちが座り込みをしています。

毎朝5時30分に漁船は祝島の港を出て、ブイがおいてある田名埠頭へまっしぐら。やがて7時30分には中電の船とブイを移動するための巨大なクレーンを積んだ台船がやってきます。

「中国電力です。もやいを解いてアンカーを上げて作業船が進入できるようにご協力をお願いします」
と中国電力の職員がスピーカーで呼びかけます。最初は丁寧な口調でお願いしていたのですがだんだん、呼びかけの中身がエスカレートしていきました。

「一次産業ではこれから食べていけないでしょう。だから原発ができればたくさん仕事場ができて町が発展するんです」

「原発ができても海が壊れるということはありません」

「祝島のみなさんは人のいうことを鵜呑みにしないでご自分で考えて、判断してください」

「この中にはもう、疲れた、帰りたいと思っているかたもいらっしゃるはずです」

祝島の人々の感情を逆なでするような言葉は意図的というより、無自覚に言っているように聞こえた。その証拠に、これらの発言が問題になったらとたんに紋切り型の「錨をあげていただくように強く強く要請します。あなた方の行為は違法です」などと威圧的に迫ってくるようになった。

彼らは祝島の人たちがなぜ、原発に反対するのかまったくわかっていないし理解しようとしていない。あまりの理解の低さに驚愕する。
阻止行動はすでに6日目になり、今日は「お願いします」の後にぺこぺこと頭を下げていた。しかし、祝島の漁船の錨は上がることはなく、作業をあきらめて今日も帰っていった。両者の間にできた溝は深く、祝島はまったく中電を信用していない。

私には中電の行為はイラクを爆撃したアメリカのように見える。
軍服を着たり、本物のミサイルと落としているわけではない。しかし、民主主義を実現するため、イラク国民を解放するためときれいごとをいいながらその目的はまったく別だったし、結果は未曾有の殺戮と混乱をもたらした。

中電さんは原発が建てば町が豊かになる、発展しますという。そして原発はクリーンで安全だともいう。しかし、原発が建てば、祝島の人々の生活は破壊される。田ノ浦の環境もまた破壊される。何よりも当事者である島民の9割以上が27年にもわたって反対している。破壊をもたらす使者なのに、中電の人々は小奇麗で、慇懃な態度で電気が必要だから、CO2を出さないから、だから原発だとおっしゃる。

今や六ヶ所再処理工場は重大なトラブルを抱えてとまっており使用済み核燃料を持ち出す場所がなく、原発の運転が困難になろうとしているのに。原子炉設置許可も出ていないのに埋めたてを進めようとしている。予定地の埋め立てがいち早く祝島を支える命の海を破壊してしまう。

原発はゆるやかな爆弾だ。埋め立て、温排水、冷却水に投入される次亜塩素酸ソーダ、排出される使用済み核燃料、これらが積み重なってやがて地域を支えてきた環境の基盤を壊してしまう。

すでに、誘致計画によって上関の人間関係は破壊されてしまった。
これ以上の破壊を食い止めるためにも祝島の人々の闘いを支援しなければならないと思う。

明日もまた、阻止行動は続く。

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