2010年7月16日

編集者・北川さんの感想 「世界の平和憲法ー新たな挑戦」 「ビューティフル・アイランド」

世界の「平和憲法」新たな挑戦.jpg「ドキュメンタリーの力」を企画・編集してくださった北川直実さんの感想と新刊のご紹介です。
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(感想)
久しぶりの鎌仲作品のお披露目とあって、わくわくしながらうかがいました。

四谷会場より映像の質はあまりよくないとはうかがっていましたが、今回は国分寺の「カフェスロー」での小さな上映会を選びました。私もその一人ですが、「ヒバクシャー世界の終わりに」以来、鎌仲作品に刺激を受け、ずーっとエネルギー問題が気になっている方たちと、場を共有し一緒に観たいと思ったからです。予想どおり、会場の雰囲気はおだやかだけれども、ぴりっとしていて、集中度120%のいい空気が流れている中、映画は始まりました。

正直言って、前作の「六ヶ所村ラプソディー」を観てから、気持ちは重く、結局は答えの出せない問題なんだなあと暗くなっていました。人は経済生活をして生きていかなければならない以上、もし自分の住む街に原発がやってきたら、自分だって完全にNOと言えるだろうか。
そこで働くことになった近所の人や子どもの友達のお父さんを、責めることはできるだろうか。
そんなことを悶々としながら考えていました。

あれから4年、今回の映画で監督が伝えてくれた祝島やスゥーデンの選択。これならば、もしかしたらやれるかもしれないと思いました。 一筋の光りをみるようで、勇気をもらいました。脱原発、脱石油ーーすぐに日本全国でそれが実現できるものではないでしょうが、 少なくても選択肢のひとつとして、そういう生き方が選べる世界にしたいと強く思いました。だからこそ、祝島の人たちを心から応援したいです。この映画を一人でも多くの人に観てもらい、この思いを共有できたらと願っています。

それから祝島で起きていること、どこかで観た風景だなと思いました。住民との対話も十分にせず、一方的に権力と金の力で、強引に計画を進めていくやり方。
そうだ、沖縄の辺野古のケースとおなじだと気づきました。辺野古の海を守るため、孫達にジュゴンの海を残してやりたいと、毎日順番ですわり込んで反対したおじい、おばあ。それを応援するため全国から集まってきたダイバーたち。本当に彼らの献身的な努力によって長年、反対運動は続けられ、最後の砦を守ってきたのに、結局は日米両政府の思惑によって、すべてが決められてしまう・・・。今回の基地問題の終着点はまだ見えませんが、その土地で生きている人たちの命と暮らしがないがしろにされている構図はまったくおなじだと思います。政治はなんのためにあるのか、誰のためにあるべきものなのか・・・疑問を感じずにはいられません。TVも新聞も、マスコミというマスコミが益々意味のない情報の垂れ流しに終始し、観る者の思考を停止させてしまっている今、「市民メディア」として「ドキュメンタリーの力」を信じて、この映画もまた、時間をかけて市民の手によって広まっていくことを願っています。

鎌仲監督、スタッフのみなさん、4年間、本当にお疲れ様でした。素晴らしい映画を作って観せてくださり、有難うございます。

以上

オフィスY&K
編集者 北川直実
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北川さんが編集された新刊
「世界の平和憲法ー新たな挑戦」(笹本潤著・大月書店)

 

ドキュメンタリーの力.jpg「ドキュメンタリーの力」(鎌仲 ひとみ、金 聖雄、海南 友子著・寺子屋新書)

 

ビューティフル・アイランド.jpg◎海南友子さんの新作!
ドキュメンタリー映画「Beautiful Islands~ビューティフルアイランズ」劇場公開中です!

書籍に映画に、今年の夏も暑いですね☆


(staffフジイ)

 


 

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