2010年12月28日

<新聞記事> human recipe Shing02

9月 「ミツバチの羽音と地球の回転」シネモンド上映中に金沢に来てくださったShnig02さんを、北陸中日新聞が東京で追加取材、大きな記事がクリスマスの日に掲載されました!

縦横無尽に 歌う挑む ヒップホップ歌手 Shing02 シンゴツー (北陸中日新聞12月25日)
http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/popress/human_recipe/CK2010122502000151.html

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歴史や社会現象を織り交ぜた深い歌詞、新たな手法を次々と試す自由な音楽性。熱心な音楽ファンならその存在を耳にしたことがあるだろう、ヒップホップアーティストShing02(35)。社会問題への意識も高く、金沢でも公開され話題を呼んだドキュメンタリー映画「ミツバチの羽音と地球の回転」では音楽を担当した。日本語、英語を操り、縦横無尽にメッセージを発する孤高のバイリンガルミュージシャンがたどった人生とは。。(担当・白井春菜)

 

日米も歴史も文化もミックス
-ヒップホップとの「運命」の出会い

 幼いころから絵を描くことが好き。父の仕事の関係で渡米し、カリフォルニア州の大学に入学して電気工学などを専攻した際も、コンピューターで絵などを描くグラフィックアートに取り組んだ。

 ただ、大学のあったバークレーを含む地域は当時、ヒップホップの「ルネサンス」期。大手レコード会社とは契約せず、自由に歌うアーティストのDIY(Do It Yourself=自分で作って自分で売る)精神など、街中にあふれる若者のパワーに感化された。あこがれのミュージシャンに似顔絵を持っていったのをきっかけに仲間の輪が広がり、音楽の楽しさに取りつかれていった。

 一応、日本でも就活をして、企業から誘いもあったけれど、組織の歯車になって働くことに音楽ほどの魅力を感じなかった。もしタイミングよくヒップホップに出会わなかったら、どこかの田舎でエンジニアになっていたかも。人や物、歴史などとの出会いが人生をつくっていくので、他人には分からない運命的な導きもあったと思う。

-多彩なテーマ、音楽性

 違う歴史も文化も時代もミックスできる「何でもあり」がヒップホップの魅力。日米の教育とヒップホップ文化を吸収した自分にしかやれないものをやりたい。

 シングル「Pearl Harbor」では、日本で教わった真珠湾攻撃と、米国の高校の授業で知った日系人が強制収容所に入れられた事件を混ぜ合わせ、曲を作った。国籍を問わず戦争に踏みにじられた人たちの生活に思いをはせ、平和の尊さを訴えたかった。

 活動を始めた1998年ごろは、日本になかったアメリカの西海岸風ヒップホップを日本語で紹介することから始めた。その後はスタイルにこだわらず、作っている。

-自由へのこだわり

 小中は日本で通ったが、和を重んじる空気に自由を縛られた苦い思い出もある。

 中2の時に合唱コンクールでクラス全員が強制的に歌わされることに違和感をおぼえた。大賞をもらったが、全然うれしくなくて、終了後に音楽の時間でまた歌わされることになったとき、「楽譜を捨てていいですか」と言った。そうしたら音楽の先生が泣いてしまい、担任にしかられ、強いストレスを感じたのをおぼえている。

 ミュージシャンも写真家や絵描き、物書きと同じで、人間として興味がわくことがあれば何でもチャレンジすればよいと思う。日米で何が売れているかに関係なく、常に知らないことを学びながら自由にやる方が、自分ものめり込めて楽しい。

-社会問題への関心

 青森県六ケ所村・核燃料再処理施設の放射能汚染の危険性を訴える坂本龍一さんの「STOP ROKKASHO」プロジェクトに参加した時は、アルバムを作るのと同じ姿勢で原発について調べた。(原発などエネルギー問題がテーマの映画)「ミツバチの羽音と地球の回転」で音楽を担当したのは、この時の縁だった。

 戦争や環境など、調べて消化できたものは表現したい。毎日が試行錯誤だが、自分の中で眠っているアイデアを形にしていきたい。 (敬称略)

 

PK2010122502100068_size0.jpgのサムネール画像

                                     ~北陸中日新聞WEBより

人生のSpice
【バークレー】 60年代、米国での公民権運動発祥の地。ヒッピー文化が盛んで「ワル」のイメージがあり、サンフランシスコで田舎の高校生だった僕はビクビク。環境問題などへの意識が高く、影響を受けた。

【手塚治虫】 もっとも好きな漫画家。「火の鳥」「ブラックジャック」などを子どものころから何度も読んだ。バラエティーに富んだ作風と遊び心が魅力。

 
歌に込めたメッセージ 
一人変われば周りの百人変える力持つこと忘れんな/長いものはぶった切る出る杭(くい)は打ち返す芸術で訴える!

 【400】より

So I'm singing, no lip syncing to slogans,/Political hooligans with tanks, missiles and guns!

(だから僕は歌う、決まり文句の口パクでなく/戦車やミサイル、銃を持った不良政治家共に対抗する)

 【Luv(sic)part2】より
 
 
シンゴツー ヒップホップ歌手、音楽プロデューサー。本名・安念真吾(あんねん・しんご)。1975(昭和50)年、東京都生まれ。米国・ロサンゼルス在住。タンザニアと英国で幼少期を過ごす。小2から千葉県で育ち、中2で渡米。カリフォルニア大学バークレー校卒。アルバム「緑黄色人種」「400」「歪曲」など。


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ご縁があり、北陸の新聞に大きくとりあげられ、うれしく思います。

すばらしい記事を書いてくださった白井記者、ほんとうにありがとうございました!


staff コハラ

 

 

 

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