鎌仲ひとみ監督より・早稲田ジャーナリズム大賞の受賞コメントが届きました♪


去る11月10日、石橋湛山記念 早稲田ジャーナリズム大賞の贈呈式がありました。
「ミツバチの羽音と地球の回転」は文化貢献部門の奨励賞を受賞。
惜しくも大賞には手が届きませんでしたが、2001年の制定以来、毎年すぐれたジャーナリストに贈られてきた栄えある賞をいただき、鎌仲ひとみ監督も、小泉修吉プロデューサーも、感無量の面持ちでした。
皆さんの応援の賜物です。本当にありがとうございました!
鎌仲監督にとっては、早稲田大学は母校でもあります。
受賞スピーチでは「大学時代に買ったのよ♪(!)」というスーツで登壇。
皆さんへの感謝の気持ちと映画への想いを、めいっぱい伝えてまいりました。
その時の受賞コメントをご紹介いたします!
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早稲田ジャーナリズム大賞石橋湛山奨励賞を受賞して。
前作「六ヶ所村ラプソディー」は日本のドキュメンタリー映画の中で最も観客を得た一本と言われています。650ヶ所で上映していただきましたが、何一つ賞をいただけませんでした。
今回、「ミツバチの羽音と地球の回転」がこのような賞をいただけたこと、素直にありがたいと思うと同時にまた一方であの福島原発の事故がなかったならどうだろう?とも想像します。
ジャーナリズムは誰のためにあるのか?私は誰のために映画を創るのか?という問いはいつも胸にありながら大儀とエゴの間を揺れ動いているのが本音です。
それでも、「ヒバクシャ―世界の終わりに」から核・被曝・エネルギーをテーマに描き続けてこられたのはひとえに映画を支えてくださった無数の観客のおかげだと感じています。
そして何よりも私のカメラを受け入れ、自分を晒して下さった祝島の人々なしには映画そのものもありえないのです。
本来、賞をいただくのは祝島の人々だと思います。
その取り組みを撮らせていただいた私がいただくのは本末顛倒だと思います。
ジャーナリストとはあさましい職業ですね。
それでも、作品を評価していただけたことは大変、ありがたい。
私の映画は映画そのものにも増して、上映活動に価値があると思っています。
映画を地域で上映するために動いて下さった人々の苦労は計り知れません。
でも、その苦労が地域で素晴らしいネットワークを築くことに繋がっていることが何よりもうれしいのです。
二つの車輪が、単に映画を観ることを超えて社会を変える力となる。
それこそが私が期待していることです。だから映画は開いていたい、と心がけてきました。
反対する人も賛成する人も間で揺れている人にも。
そして隠されてきた大事な情報に対しても。
福島原発事故の後、情報は命に繋がることがより一層鮮明になってきました。
まだまだやるべきことが山積みですが、今ひと時は皆様とこの賞の喜びを分かち合いたいと思います。
支えてくださってありがとうございました!
スタッフ一同、心より感謝を申し上げます。
そしてこれからもどうぞつながっていけますようにと願っております。
鎌仲ひとみ
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