2012年1月13日

「スピボイ」インタビューUP! 豪田トモ監督×鎌仲ひとみ監督

「スピボイ」のWEBにインタビューが掲載されています!

「子どもたちの未来のためにいま選択すべきこと」

http://www.spiritualvoyagers.jp/interview_vol044.html

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2010年公開映画「うまれる」の監督 豪田トモ監督との対談です。

鎌仲監督絶賛のドキュメンタリー映画「うまれる」
http://www.umareru.jp/

「うまれる」予告編
http://www.youtube.com/watch?v=TvHcS-u7wvA

インタビューアーは、豪田監督の友人であり「スピボイ」を主宰されて
いるワダタツヤさんです!


大変中身の濃い、いい対談になりました。
音声と文字起こし、両方ありますので、ぜひとも読んで、聴いてくださいませ!

http://www.spiritualvoyagers.jp/interview_vol044.html

(以下一部抜粋)

■ 真実に向き合いたくないという人々

鎌仲:
私は女子大に行って教えたりとかしてるんだけど、今大学でも上映がとても盛んで。それで大学に行って、私は何一つ情報を言わないで、3.11が起きてしゃべることはいっぱいあるかもしれないけど、でも映画は見た。それで、福島のことは何一つ言わずに、「みんなでちょっとシェアをしましょう」と。「3.11の時何をしていたのか?何を思ったのか?その後誰かと話をしたか?今どうしようとこれに対して思っているのか?とかっていうことを、何を言っても誰も批判しないから話しましょう」って言ったら、若い女の子が「知りたくない。なぜなら、知ってしまったら人生が楽しめなくなるから」と。
 
私は「その気持ちすっごくわかる。みんなそう思っているんじゃないかしら」って。彼女は「そうなんです。知りたくないんです」って。でもそう言った途端に、彼女の中で「そういうこと言ってても解決しないんだ」って気持ちが同時に出てくるというのを感じるんですよね。でも、それを自分の中に閉じ込めて、誰にも言わず、表現せず、言葉にもせず持っているだけだと自分の中で堂々巡りになるんですよね。でも、他者に向かって言ったときに、自分の中にフィードバックが起きて「これではどうしようもないんだわ」って、だってみんなおバカさんじゃないんだもん。普通の感性があれば誰でもそう思うはず。そう思ったなっていうのはね感じたのね、周りの人も。
 
でやっぱり「原発は何でダメなの?」っていう意見もあったし、「お父さんが東京電力に勤めているから、反対するとお父さんの仕事がなくなっちゃう」とか。でもそれはすごく幼い、知識のない素朴な意見なんだけど、それを実際自分で形にして表現にしてみないと次に行けないのよね。学ぼうとか、本当にそうかしら?...っていう。それをやってすごく思ったんですけど。

 

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福島の子供たちを守らなければ

鎌仲:
例えば、25年前のチェルノブイリに同じような事が起きて、何がもたらされたのかっていうと、やっぱり、もの凄く不妊が増えたんですよ。
それで、今、動物ですでに起きてるんですよ。例えば、福島や宮城県周辺の酪農家が牛に種付けをするときに、してもしても流産しちゃうっていう。これは人間にも起きるんですよ。ありとあらゆる動物に同じ現象が、これからあそこを中心にして起きるでしょう。
豪田:
ヒバクシャのなかでも、アメリカでそういう話がありましたよね。
鎌仲:
そうなんです。全ての女性が流産を体験したと。このハンフォードの風下で、この集落1マイル四方の中にすんでいる28家族の全ての女性が流産を体験したと。
豪田:
流産って、僕はこの映画作るまではね、ちょっとピンとこなかったんです。
特に戸籍とかでないから、生まれなかった子なんじゃないのみたいのがあったりするんですけど、僕は今回の映画では、流産、死産も取り上げて・・・すごく沢山の方にお話し聞いたんですけど、男性の僕はちょっと感覚が違っていて、その女性の中では、お腹の中で生まれて、亡くなった子っていう感覚なんですよね。
鎌仲:
そうそう。それがあの映画ですごく丁寧に描かれていましたね。
 

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鎌仲:そういう、ちっちゃい生きものの世界、視点で世界を見ると、やっぱりそういう変な物が来るのはイヤなのよね。私は祝島のおばちゃんたちも、ホントに手が届くようなきれいな海から、ちょいっと釣り糸たらしたり、海藻をこうちょちょっと採っておみおつけにしたりとか、アジなんかちゅちゅっと釣ってきて、刺身にして、ひょいっと食卓に出しちゃうっていう、そういう暮らしをながーく続けてきてる。その目の前の海のすぐ先に原発っていうものができるということが、やっぱり感性として、人間の生きて行く本能として、受け入れがたいと。それはやっぱりね、その通りだよとかって思うんです。
 
豪田:
祝島っていうのは、鎌仲監督の中で富山県とかぶっている部分があったんですね。
鎌仲:
祝島と同じような環境は日本中にたくさんあると思うんですよ。ただ、祝島の人が持っているスピリット、誰が何と言おうと闘い抜くっていうか、それを持続的に28年も29年もやり続けるっていう、その長いものに巻かれない、それはやっぱり独特だと思うんですよね。
ワダ:
独特のお祭りとかの伝統も残ってますね。
鎌仲:
祭はすごく大事。祭は地域の命です。地域の人たちが深く関わる。地域の自然に感謝を持つとか、自然をお金に換算するようなものと対極にあると思うんですよね。だから、そういうものが残っているところは、自然が破壊されずに、昔からの教えですよね。ここに作っちゃいけないとか。だから津波も、神社はみんな残ったんですよ。そういう先人の知恵みたいなものがやっぱり生かされている場所っていうのは、守ってきたということだからね。
豪田:
地球なり環境なり、もしくは命なりっていうことを考えるってことに関して。やっぱりご両親の影響とかあったんですか?
鎌仲:
どうかなあ?(笑) 農家だったからね。だから、育ってくるとか、言葉で全然教えてもらったわけではないけれども、カエルとか、魚とか、そういうなんか泥まみれになって育って、そこ本当に自分の命とドジョウの命も同じようにあるというか。
それで、子ども時代、私はいっぱい昆虫を殺しましたよ。トンボ採ったり、ちょうちょ採ったり、蝉採ったり。もう何百匹も。その命がなくなっていくっていう、だからこそ生きてるのって、すごく大事っていうか、そういう感覚は、刷り込まれてあるのかもね。
豪田:
たぶん、鎌仲監督と同じような感じで育った子供っていっぱいる中で、なぜ鎌仲監督だけが、こんな強いエネルギーを持って、こういうことをやり続けられるんだと思いますか?
鎌仲:
えーっ!自分ではわかんないよ。でも、エネルギーが出てくるんだよね。なんだろうなあ。
豪田:
相当なエネルギーだと思いますよ。
鎌仲:
うーん。
豪田:
もう原発1基分くらいの。
鎌仲:
あはははは。(笑)
ワダ:
鎌仲発電。
豪田:
鎌仲発電すごいと思いますよ。
鎌仲:
それはトモさんが自分の娘さんを守るためにと思ったら出てくるエネルギーと同じくらいだと思いますよ。だって、自分の娘を守るだけにはいかなくなってくるんですよ。
豪田:
うん、そうですね。
鎌仲:
原発のことは。福島に新しい家を建ててしまって、放射能が周りじゅうにある。測ってみたら家のここだけが、居間のここだけが低かった。そこに柵をして赤ちゃんを入れてるんですよ。でも、守りきれないでしょ? ほんとの意味で守ろうと思ったら、やっぱ止めるしかないんですよ。だって放射能はね、子どもにはもの凄く悪いものだし、脅威だし、そういう意味で言ったら、もう優先順位的に言うと、どんなにエコビレッジを作ったとしても、放射能がきたらおしまい。まず、それはやっぱり蓋をして、増やさないようにしなくちゃいけないって、それは自分のこの命と直結してるんだって思ったら、すごいエネルギーが出てくるはず。
豪田:
そうですね。出ますよね。発電できますね。
鎌仲:
だからやっぱり、私は、自分が結婚して子どもを作ってるわけではなくって、独身で子ども産んでないんですけど、イラクの子どもたちとか、日本の子どもたちとか。やっぱ子供は生きなきゃ。命は全うしなきゃ。私の命だけじゃなく、ありとあらゆる命がちゃんと全うされるように、命が生き切るように。

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