2012年5月17日

【新聞記事】鎌仲監督新作「内部被ばくを生き抜く」 情報不足が混乱に拍車

5月8日・9日、「内部被ばくを生き抜く」上映のため石川県に滞在していた鎌仲監督が北陸中日新聞の取材を受けました!今朝の新聞文化面に大きく掲載されています。

【映画】鎌仲監督新作「内部被ばくを生き抜く」 情報不足が混乱に拍車(北陸中日新聞2012・5・18)
http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/bunka/list/201205/CK2012051802000271.html

医療界取り組み鈍さを指摘 「おかしさ 変わるまで言う」

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 ドキュメンタリー映画監督の鎌仲ひとみさん(53)=富山県氷見市出身=が新作「内部被ばくを生き抜く」を公開した。福島第一原発事故で拡散した放射性物質による内部被ばくについて四人の医師にインタビューし、危険性とどう向き合うべきかを問いかける一方、福島県二本松市で幼稚園を運営する僧侶一家の取り組みを通じて、子どもたちの安全を守る方策を探る。 (松岡等)

 鎌仲さんは、広島、長崎の被爆者、湾岸戦争で使われた劣化ウラン弾や米国の核兵器施設周辺に住む住民らに取材した「ヒバクシャ-世界の終わりに」(二〇〇三年)以降、内部被ばくの問題をテーマにしてきた。

 福島の事故後の状況を「敏感な人と、『まあいいか』という人とがいる。その状況を『グラデーション』と呼んでいるが、放射性物質に対する意識が高い人より、低い人のほうが確実に被ばくしている。なめちゃいけない」と語る。

 新作に登場する医師は、広島の被爆者を診察し続けてきた肥田舜太郎さん、チェルノブイリやイラクで医療支援を続ける鎌田實さん(諏訪中央病院名誉院長)、福島で除染に取り組む児玉龍彦さん(東京大アイソトープ総合センター長)、チェルノブイリの小児科医師スモルニコワ・バレンチナさん。

 「内部被ばくについては分かっていない部分が多く、情報が開示されていないことが混乱の要因。予防原則でいえばリスクは避けるべきなのに、低線量について『大丈夫』という。そのおかしさが変わるまで言い続けていくしかない」と鎌仲さん。

 子どもたちの内部被ばく線量の測定で、医師も、ホールボディーカウンターも不足している現状に、医療界の取り組みの鈍さを指摘し、「四人が異端ではなく、真っ当な医師であると受け止めてもらうようにならなければ」と語る。

 自然エネルギーの可能性を探った前作「ミツバチの羽音と地球の回転」など、上映会を通じて脱原発を訴えてきた。それでも福島の事故に原発についての認識を「甘かった。事故が起きるという確信までは持っていなかったし、原発の負の部分を理解してもらえれば、変えていけると考えていた」と。

 一方、上映会で全国を回る中で「『原発は動かすべきではない』という暗黙知がすごく大きくなった。原発なしでもやっていけるという情報が広がっていけばその暗黙知は常識に変わる」とも。「メディアの役割は大きいですよ」

ドキュメンタリー「内部被ばくを生き抜く」の一場面

写真

 

25日氷見、26日富山で

 ◇「内部被ばくを生き抜く」上映会

 25日午後7時~ 富山県氷見市中央町のいきいき元気館。上映後に監督がトーク。参加費1200円(大学・高校生800円、中学生以下無料、要予約)。申し込みは、主催のアートNPOヒミング=メールinfo@himming.jpまたは電090(3886)7669=へ。

 26日午後1時~ 富山市のフォルツァ総曲輪 監督のトーク、上映午後2時40分~。当日1000円(前売りチケット900円)。同日から「ミツバチの羽音と地球の回転」の上映も。フォルツァ総曲輪=電076(493)8815。

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好評につき、急きょ昼夜二回上映となり、のべ180人が駆けつけた 5月8日石川県 常讃寺での「内部被ばくを生き抜く」上映会・講演会のスナップ。

30枚用意した「内部被ばくを生き抜く」のDVDはあっという間に完売しました!

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